プライベート投資戦略のうちの一つの商品、ストラクチャード・ボンド投資についてお伝えします。ストラクチャード・ボンド(Structured Bond)とは、債券の一種で、フルオーダーの仕組債や特定の事業や指標に連動する債券のことです。債券なので、プライベート・エクイティやプライベート・ファンドとは異なり、決められた年限で決められた金利が付く。というのが特徴です。
ストラクチャード・ボンドとは
「仕組債」とも言われており、一般的な債券にオプションやスワップなどのデリバティブ(金融派生商品)を組み込んだ債券です。一般的な債券とは異なり、元本や利金の支払について、参照対象とする株価、為替、その他各種指数などの金融指標の変化による条件が付されることによって、条件の付いていない債券よりも高い利回りが期待できます。仕組債の典型例として、クーポンや償還価額が為替レートや株価に連動したり、債券が満期より早く償還したりするかわりに、通常の債券より利回りが高いものなどがあげられます。
オーダーメイドで発行される
ストラクチャード・ボンドの最大の特徴は、オーダーメイドで発行されるということです。もちろん好き勝手な条件で全て作れるというわけではありませんが、発行体との相談のもとある程度柔軟に組成してもらえます。
例えば、満期は長くて1年、利回り10%以上といった条件であれば多くのパターンで組成可能です。発行体は主に海外の金融機関であり、高格付けの銀行などです。
いつ出てくるかわからない投資案件と違い、投資家の好きなタイミングで好きな条件で発行されるため、ポートフォリオの利回りを上げたい時や、株式投資ではなくある程度相場全体の値下がりを受けないような投資をしたい時などにぴったりです。
オーダーメイドで作れるということは一定の金額が必要です。発行体によっては1億円以上からという場合もありますが、プライベート投資戦略では1,000万円から投資できるようなストラクチャード・ボンドを使います。
固有のリスク
ストラクチャード・ボンドにもリスクはあります。一般的な債券の投資リスクは、信用・価格変動・為替変動・流動性リスクなどですが、ストラクチャード・ボンドの場合はそれらに加えて、当初より受け取る金利が減る可能性・参照指標の変動により満期受取が減る可能性・現金ではなく現物の株式や商品などで償還される可能性、などが挙げられます。もちろんその都度商品ごとに条件が異なりますので全て当てはまるわけではありませんのでご注意ください。
プライベート投資戦略では、決まった年限で決まった金利を受け取ることのできるストラクチャード・ボンドは欠かせません。もちろん全資産入れることはお勧めできませんが、資金を預貯金で寝かしておくよりははるかにマシです。