今回は、プライベート投資戦略にも共通する投資を行う上で絶対にしてはいけない失敗例をお伝えします。
特に、市場が大きく動いている時、下落しているときはやってしまいがちです。投資は常に冷静に行う必要がありますが、この2点をしないように心得ておきましょう。
冷静に投資するために投資の心理サイクルを理解する
金融市場は投資家の心理面に非常に大きく左右されます。特に、個人投資家のメンタルは同じ方向に動きやすいため、注意が必要です。
この投資の心理サイクルを理解しておくと、常に冷静に投資をすることができます。超富裕層の個人投資家は私が見ている限り、これらの心理サイクルには影響されません。むしろこの心理をうまく利用し、投資に成功しています。
米国株の個人投資家数はこの10年で急激に増えています。2010年、米国株の売買数量における、個人投資家の比率はわずか10%に過ぎませんでした。しかし、その比率は2020年には20%近くを占めるようになりました。
その理由の一つとして、新型コロナウイルスの流行が考えられます。人々は自粛生活を強いられた結果、家にいる時間が増えました。その結果、投資をする人が増えています。
この動きはアメリカだけでなく日本でも同様です。インフルエンサーなどの影響もあり、投資初心者が一気に増えました。これは私たち金融業界の人間にとっては非常に嬉しい動きですが、ほとんどの方が典型的な投資の心理サイクル通りなのがとても残念です。
ここ数年は株式市場は右肩上がりだったため、投資を始めてすぐに利益が上がり続ける状況が続き、投資家心理としては図とほぼ同じように感じていた方も多いのではないでしょうか。
2022年に入り市場が下落をすると、プラスの感情の後に不安やパニックなどのマイナスな感情に襲われているようです。
投資の間違い①高く買って安く売る
さて、富裕層は絶対に犯さない投資の失敗の一つ目です。それは「高く買って安く売ってしまう」ことです。
例えば、ある企業が他の企業と連携する、新製品を発売するといったようなニュースが流れてきたとします。それをインフルエンサーが紹介して投資を推奨しています。
そのような時、個人投資家はつられて投資をしてしまうのです。つまり、「楽観」や「興奮」といった感情に流されてしまうということです。
その後株価が下落をし含み損になると、「不安」や「パニック」に陥り損切してしまいます。
結果、高く買って安く売ってしまい、その投資は失敗してしまうのです。
大事なことは、「他の投資家も投資をしている」からといって周りに流されずに、自分で、もしくは信頼できるアドバイザーに相談して、本当に投資をするべきなのかしっかり考える必要があります。
そして、もしその企業に投資をすると決めたら、取るべき行動は次のいずれかです。
・利益が出たら短期的に利益を得る。
・含み損に動じずに持ち続ける。
この場合、しっかりと事前に考えていれば含み損が出たとしても動じないメンタルを持つことができます。投資をするということは長期で考えるべきです。
投資の間違い②1つの投資先に偏ってしまう
投資家がしがちな2つめの間違いですが、それは、1つの企業や1つのセクターに偏って投資をしてしまうことです。
投資にはリスクがあります。リスクは投資手法によって「軽減」させることができます。しかし、偏った投資をしてしまうと、リスクを軽減どころか「増大」させてしまいます。
例えば、ITセクターのとある株価が伸びているからといって他の類似の銘柄まで全てが今後長期的に伸び続けることはありません。手を出す必要のないものにまで投資をすれば、不要なリスクを背負うことになってしまうのです。
この失敗は、自分に合った投資戦略を理解できていないということでもあるので、回避する方法は自分だけで考えないことです。
必ずおとずれる「不安」
投資家の心理サイクルでおとずれる「不安」。これは投資をしていると避けられないものです。不安な気持ちに陥り、しばらくあらゆる悲観的な感情に苦しめられることがあると思います。
しかしそれは同時に、その後おとずれる「希望」が約束されているとも言えるでしょう。それが市場というものです。
落ち着いて取るべき選択を見極めていきましょう。投資家の心理サイクルを理解することが重要です。その上で信頼できるアドバイザーを見つけましょう。そうすれば、先ほどの2つの間違いを犯すこともなく、落ち着いて対処することができます。